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「寸暇を惜しまず働く」という言葉を聞いたり使った経験はありませんか?

もし、使っていたとしたら、大きな間違いなので今すぐ直した方が賢明です。

 

なぜなら、全く真逆の意味になってしまうためです。

では、どういった表現をするべきなのでしょうか?

 

 

「寸暇を惜しまず働く」を紐解いていくと

 

「寸暇を惜しまず働く」とは、どういった状況でしょうか?

とても勤勉で働き者である事を指す言葉でしょうか?

 

「寸暇(すんか)」とは、文字通り「ちょっとしたヒマ」「ごくわずかの空き時間」の事です。

仕事の途中の「小休止」と同等の意味を持つ言葉です。

それを惜しまないわけですから、「遠慮なく休みをとる」ということになってしまいます・・・

 

いかにもやる気のない様子で、ダラダラと働いている姿が目に浮かびます。

そんな社員を雇っておく余裕のある会社など、今の時代にほぼほぼ存在しません。

普通は、そんな不真面目な宣言など不要です。

 

たとえ、「力を抜いて生きる」ことを信条としていても、

そのためにわざわざ「寸暇を惜しまず」という表現を使う事は無いでしょう。

 

「勤勉」である事を示したいのであれば、

対応する言葉は「寸暇を惜しんで」が正しいのです。

 

「寸暇を惜しんで働く」が正しい表現!

 

これならば、わずかの空時間すらも無駄にせず仕事に集中するという意味になります。

貴重な時間が「寸暇」に消費される事を惜しむという意味になるのです。

 

言葉自体はとても似ていますが、 「惜しんで「惜しまずでは、

意味がまるっきり逆です。

 

類似した表現に、

  • 「努力を惜しまず」
  • 「手間隙を惜しまず」

などがあります。

 

もしかしたら、このあたりでこんがらがったのかもしれません。

「寸暇を惜しまず」は、使っている人が、「誤用」である事に気づいていない事の多い言葉です。

 

せっかくの休憩時間に休みを取ないことを惜しいと思わずに仕事をする様子、

本来なら、「寸暇」となる時間を、惜しまず仕事に費やす姿、「寸暇を得る機会」を、

惜しまず手放す態度

 

このような解釈で、「寸暇を惜しまず」を使っているとすれば、

それが「間違い」であるとは思わないのかもしれません。

 

聞き手・読み手の方もそう解釈してくれれば、意図は正しく伝わります。

きちんとセンテンスを構成するには、前述の様にいくつかの言葉を

補わなければならないはずですが、たいていはその必要はありません。

 

なぜなら、この言葉は「文字通り」に解釈されるものではなく、

単に「努力している」姿勢を強調するだけの役割しか期待されていないからです。

言葉の持つ「雰囲気」さえ伝われば、それで十分です。

 

こんな時は、日本語の特徴である「曖昧さ」が上手く機能していると言えます。

しかし、「曖昧な知識」のままでも通用してしまうからこそ、「正しい知識」を得る

機械を失っているとも言えます。

 

日本語の特性に依存し、「話が通じれば、それでいい」といった安直な姿勢のままでいると、

その人の「日本語を話す力」はどんどん低下していく恐れがあります。

 

 

普段から「中途半端」な言葉遣いの人がムリに慣れない言葉を使おうとしても、

そう上手くいくものではありません。

 

どんなに「背伸び」をしてみてもほんの些細な事からボロが出てしまい、

レベルの低さが露わになってしまいます。

 

慣れない「書き言葉」で自分を飾り立てる事をダメだとはいいませんが、

それは常に「馬脚を現す」リスクの共同体となる事を覚えておくべきかもしれません。

 

できる事なら、そんな「背伸び」しなくても済む方が望ましいですね。

等身大の「自分の言葉」で「ちゃんとした文章」を書くことができる。

そんなスキルを身に付けておけば、きっとどこかで大いに役立ってくれるハズです(´^ω^`)

 

「寝る間も惜しまず」も間違い

 

似たような言葉に、「寝る間も惜しまず」という表現があります。

この誤用は実際に大手の新聞紙面にも登場しました。

しかもそれは「日本語」に関する記事を売りにしてCMまで作っている新聞です。

 

 

2004年のセ・リーグを制覇した中日ドラゴンズの落合監督に関する記事で、

そこには「監督はスコアラーが集めた他球団のデータを、寝る間も惜しまず分析した」

と書かれていたのです。

 

なので、これは、

 

「死ぬほど眠りたいし、寝ないと体がもたないけど、

勝利を掴むために一生懸命他球団のデータを分析してチームに貢献した。」

 

ではなく、

 

「分析なんてさっさと済ませておき、

英気を養うためにしっかり睡眠をとりました☆」

 

という事になってしまいます。oh…

 

無論、これは「寝る間も惜しんで」の間違いです。

これで、「時間を睡眠のために消費する事さえ惜しんで一生懸命頑張る」

という意味になります。

 

「惜しんで」と「惜しまず」は正反対です。似て非なるものです。

 

 

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